WRITER’S STORY vol.2|「安定を手放した先に、自分の居場所があった」—華道家・愛さんが、英語で世界に扉を開くまで
英語コラムライター養成講座を修了し、実際に英語コラムを書き続けているライターたちのストーリーをお届けします。
15年間、高校教員として働いてきた愛さん。「安定」の象徴ともいえる職業を手放すことへの恐怖と、やりたいことへの憧れの間で、1年以上揺れ続けていた。
そんな彼女が英語コラムライター養成講座を受講し、4ヶ月で60名の外国人に生け花を教えるまでになった話は、「キャリアの転換」を考えるすべての人にとって、一つの道標になると思う。
「安定」を手放せなかった理由
愛さんが教員という職業に縛られていたのは、収入への不安だけではなかった。
「安定の代名詞」とも言われる職業を辞めることへの罪悪感、そして英語のアウトプットに自信が持てないという二重の壁が、彼女の背中を押すことを妨げていた。
ここで注目したいのは、多くの人が「やりたいこと」と「できること」の間で立ち止まってしまうという点だ。愛さんの場合、夢は明確だった。退職後に生け花を外国人に教えたい、という具体的なビジョンがあった。
それでも1年以上動けなかったのは、英語という壁が「できない理由」として影響していたからだ。
「信用できる」という直感
愛さんが受講を決めたのは、論理的な判断だけではなかった。
英語コラムライター養成講座の講師である、律子さんのインスタライブを見て、言葉の選び方や伝え方の丁寧さに触れ、「この人の発信は信用できる」と直感したと言う。加えて、隙間時間で学べるスタイルが、多忙な自分のライフスタイルに合っていた。
学びを継続できるかどうかは、スキルよりも「この人となら続けられる」という信頼感の方が、実は大きく影響する。愛さんの決断は、その好例だと思う。
翻訳アプリでは届かない、温かさ
講座を通じて愛さんが気づいたのは、英語は単なるツールではないということだった。
翻訳アプリを使えば言葉は伝わる。でも、自分の言葉で伝えることの温かさは、テクノロジーには代替できない。生け花を教えるという行為は、技術の伝達であると同時に、文化と心の交流だ。だからこそ、自分の言葉で語れることに意味がある。
AIが普及する今だからこそ、「人の言葉」で伝える力の価値は、むしろ高まっていると言えるかもしれない。
4ヶ月で、60名の外国人が来た
受講後、愛さんは英語でのInstagram発信に挑戦した。
最初は恐る恐るだったと言う。それでも続けた結果、4ヶ月で約30組・延べ60名の外国人のお客さんに生け花を教えることができた。さらに、受講生に渡している英語のテキストも「わかりやすい」と好評で、それ自体が教室の強みになっている。
講座で学んだ「シンプルに伝える力」が、ビジネスの現場で直接機能した事例だ。英語力の向上とビジネスの成果が、これほど短期間で結びついたのは、愛さんの特技と英語が掛け合わさったからに他ならない。
「死ぬほど怖かった」その先に
安定を手放すことへの恐怖は、愛さんの言葉を借りれば「死ぬほど怖かった」。
でも実際は、そんなことはなかった。今の方が、ずっと楽しい。精神的にも、ずっと楽だと言う。
怖さの正体は多くの場合、「未知」への恐怖だ。踏み出す前は見えなかった景色が、踏み出した後には広がっている。
愛さんのストーリーが示しているのは、自分の特技と英語を掛け合わせることで、キャリアの後半戦はむしろ豊かになりうるということだ。
英語は、夢を叶えるための言語だった。愛さんにとって、それは生け花と世界をつなぐ鍵だった。
WRITER’S STORYでは、Write Up Lab認定ライターたちのストーリーを定期的にお届けしています。