英語コラムの書き方|初心者向け完全ガイド

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英語でコラムを書いてみたい、とずっと思っていた。
でも、いざパソコンの前に座ると、最初の1文が出てこない。「間違ってたらどうしよう」「こんな内容でいいのかな」「そもそも何を書けば」。そうやって考えているうちに、結局また別の日に先送りにしてしまう。
英語から離れていた時間が長いほど、そのハードルは高く感じる。

でも実際に書き始めてみると、英語コラムの書き方はそれほど難しくない。構造はシンプルで、テーマは探さなくていい。すでに知っていることの中に、書けるものがある。

英語コラムとは何か。翻訳とは全然違う

英語コラムとは、自分の言葉で、自分の視点から書いた文章のことです。

よく混同されるのが翻訳との違いです。翻訳は「誰かが書いたものを別の言語に置き換える作業」。英語コラムは「自分が見たこと、感じたことを、最初から英語で書くこと」。

翻訳は正確さが命。コラムに正解はない。あるのは、書いた人の目に映った景色だけです。

文字数も形式もテーマも自由。唯一の条件は「書いた人の視点があること」。これだけです。

何を書けばいいのか

テーマに困っている人の多くは、「特別なことを書かなければ」と思いすぎています。

英語コラムに、大それたテーマはいりません。あなたの「当たり前」を書けばいい。

外国人の友人に聞かれたら、30分は語れる話は何か。そこが出発点です。

近所のスーパーで売っている豆腐の種類の多さ。学校の運動会で親が本気になる理由。コンビニで買ったおにぎりの海苔がなぜ別になっているのか。旅先のホテルで感じた日本との違い。

自分にとっての当たり前が、海外の読者には「知りたかったこと」になっています。ガイドブックには載っていない、生活者としての目線を、外の人はとても読みたがっている。

専門家じゃなくていい。むしろ、生活者としての目線が一番強い。

起承転結は使えるのか

日本語の文章で慣れ親しんだ起承転結は、英語コラムでも使えます。ただ、そのままの順番では通じにくい。

英語の読者は「転」を待ってくれません。結論や主張を最後まで引っ張るのは、英語では「焦らしすぎ」になってしまう。

英語コラムでの起承転結は、順番が変わります。「結→起→承→転」に近い。最初に言いたいことを言って、その後でエピソードや背景を展開して、最後に読者の視点をひっくり返すような「転」を置く。

日本語で書き慣れている人ほど、最初はこの順番に違和感を覚えます。でも英語の読者にとっては、これが一番読みやすい。

コラムを書くときの流れ

どんな英語コラムも、大きく見ると同じ流れを持っています。「つかみ→言いたいこと→話の中身→締め」。

最初の数文で「読む価値がある」と思わせる。次の1〜2文で「この記事は何の話か」を宣言する。その後に話の中身を展開して、最後に読んだ後に何かが残る終わり方をする。

この流れを知っているだけで、書き始めの迷いはかなり減ります。

最初の数文でやること

読者は冒頭の数文で「読むかどうか」を決めます。

だから、最初から定義や説明を始めない。まずシーンを描く。意外なことを言う。問いを投げる。

たとえば、日本のお弁当について書くとしたら、こんなふうに書いてみました。

Every morning, I open my daughter’s lunchbox to pack her lunch. Three colors. That’s my unspoken rule—one I never learned anywhere, but somehow always follow.

難しい単語は何も使っていません。でも「なぜ3色?」「誰が決めたの?」と思わせる力がある。

ポイントは、自分が一番好きなエピソードから書き始めること。冒頭から理屈を並べようとするから止まる。まずシーンを描くと決めると、するっと書き出せます。

言いたいことを先に宣言する

最初の数文で引き込んだら、次に「この記事で何を伝えたいのか」を一言で言います。

1〜2文で十分。お弁当の記事なら、こんな感じです。

My daughter never says thank you for the lunchbox. But she always finishes it. Every last grain of rice. I did the same when I was her age—if it was good, you just ate it all. That was the only review that mattered. When I open her empty lunchbox at the end of the day, I do a small fist pump. Every time.

読者はここで「ああ、この記事はこういう話か」とわかる。それがわかると、安心して続きを読んでもらえます。

中身の広げ方

話の中身は、自分が「面白い」と思う角度から広げていくだけです。

一つの事実に対して、「なぜそうなっているのか」「海外と何が違うのか」「自分はそれをどう感じているのか」「これを聞いた外国人はどう反応するか」という問いを向けてみる。

お弁当の「3色ルール」だけで、「栄養バランスへの意識」「見た目を整えることへの美意識」「作る側の愛情表現」「外国のお弁当との比較」まで広がります。

ネタが尽きると思うなら、問いが少ないだけです。事実は一つでいい。問いを変えると、中身は自然に厚くなります。

実際にお弁当をテーマにコラムを書いたとき、流れはこうなりました。

起(シーンを描く) 毎朝、娘のお弁当を詰める。3色は入れる。誰かに教わったわけじゃないけど、気づいたらそうしていた。

結(言いたいことを先に言う) 娘はお礼を言わない。でも毎回、お弁当箱を空にして帰ってくる。自分も子どもの頃そうだった。美味しければ、全部食べる。それが子どもなりのありがとうだ。空になった箱を開けるたびに、小さくガッツポーズをしてしまう。

承(背景・エピソードを展開する) 赤はトマトかにんじん。緑はブロッコリーか枝豆。黄色は卵焼き。この「3色ルール」は、どこにも書いていないのに、日本のお母さんたちの間で共有されている暗黙の美意識だ。海外の友人にこの話をしたら、「レシピがあるの?」と真剣に聞かれた。ない。感覚で知っている、としか言えなかった。

転(読者の視点をひっくり返す) 明日、誰かのために弁当を詰めるとき、あるいは誰かが詰めてくれた弁当を開けるとき、その色を見てみてほしい。あの箱の中には、食べ物以上のものが入っている。

この流れを英語にするとこうなります。

Every morning, I open my daughter’s lunchbox to pack her lunch. Three colors. That’s my unspoken rule—one I never learned anywhere, but somehow always follow.

My daughter never says thank you for the lunchbox. But she always finishes it. Every last grain of rice. I did the same when I was her age—if it was good, you just ate it all. That was the only review that mattered. When I open her empty lunchbox at the end of the day, I do a small fist pump. Every time.

Red is tomato or carrot. Green is broccoli or edamame. Yellow is tamagoyaki. Nobody wrote this rule down anywhere. It’s just something Japanese mothers know. When I described this to a friend overseas, she asked if there was a recipe. There isn’t. It’s a feeling, passed down without words.

Tomorrow morning, when you pack a lunch—or someone packs one for you—notice the colors. There’s more in that box than food.

日本語で考えた流れが、そのまま英語になっています。特別な構文も難しい単語も使っていない。自分の経験を、自分の言葉で書くだけでいい。

締めは「まとめ」じゃなくていい

「以上、お弁当について紹介しました」で終わると、読んだ後に何も残りません。

コラムの締めは、余韻を残すためにあります。締め方には、いくつかパターンがあります。

パターン① 問いかけで終わる

What’s in your lunchbox today? And who put it there?

読者に「考えさせる」終わり方。シンプルな問いほど、頭に残ります。

パターン② 小さな気づきで終わる

We call it a lunchbox. But maybe it’s just a letter, written in vegetables and rice.

「お弁当は手紙だったのかもしれない」という視点の転換を、最後の一文に込める。説明しない。ただ置いておく。読者が自分で意味を受け取る。

パターン③ 行動を促して終わる

Next time you make a lunchbox, try adding one more color. See how it feels.

読んだ後に「やってみよう」と思わせる終わり方。コラムの余韻が、読者の日常に続いていく。

どのパターンでも、共通しているのは「説明で終わらない」ことです。最後の一文が、読者の頭の中で何かを動かす。それがコラムの締めです。

英語への不安は、書きながら解消する

「英語が正しいかどうか不安」というのは、書く前に解決しなくていい問題です。

書いた後でGrammarlyに貼り付ければ、文法ミスは指摘してくれます。ChatGPTに「これ、自然ですか?」と聞けば、より自然な言い回しを教えてくれる。

ツールは「書かせるため」に使うんじゃなくて、「磨くため」に使う。自分が書いた英語をツールで直してもらうと、「なぜこの表現のほうが自然なのか」が少しずつ見えてくる。そのたびに、英語が自分のものになっていく感覚があります。

子どもに「これどういう意味?」と聞いてしまうような英語力でも、書き続けるうちに確実に変わります。書くことが、一番の英語の練習です。

最初の1本について

最初の1本は、粗削りで当然です。

完璧な未完成より、粗削りな完成のほうが価値があります。書いて、出す。それだけが次を生む。

今日、最初の1文を書いてみてください。シーンを描くだけでいい。それが、始まりです。

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