英語コラムライターとは何か?|仕事の内容と、収入を得るまでの現実的な道筋

2026.03.03
Columns

小学生がランドセルを背負って、一人で学校に行く。

ゴミ箱がほとんどないのに、道路にゴミが落ちていない。

電車が時刻表通りに来る。

コンビニは24時間営業で、しかも棚がいつも綺麗に整っている。

公衆トイレが無料なのに、驚くほど清潔。

私たちにとっては「普通」のこと。

でも、海外の人がこれを見ると、本気で驚くんです。

「なぜ?」

「どうやって?」

「信じられない!」

SNSでも、こうした日本の日常が海外で何万回もシェアされています。

あなたが毎日何気なく通り過ぎている景色の中に、世界が「もっと知りたい」と思っているものがある。

その「なぜ」に答える記事を、英語で書く。

それが英語コラムライターという仕事です。

翻訳者でも、英語講師でも、通訳でもない。

でも英語を使って、自分の言葉で、収入を得られる仕事。

この記事では、英語コラムライターとは具体的に何をするのか、そして収入を得るまでのリアルなステップをお伝えします。

英語コラムライターとは何か

翻訳は「他人の言葉を正確に置き換える仕事」です。

英語コラムライターは違います。

「自分の視点や経験を、英語の文章として形にする仕事」です。

翻訳には「正解」がありますが、コラムには正解がありません。

あるのは「あなたの目にはこう映っている」という、一人称の視点だけ。

そしてそれこそが、この仕事の一番の面白さです。

具体的には、こんな仕事があります。

海外向けのWebメディアで、日本の食や暮らしを「生活者の目線」で書く。

企業が海外に発信したいストーリーを、英語で形にする。

インバウンド向けに、観光地の表面ではなく、その土地の人の想いや歴史を伝えるレポートを書く。

共通しているのは、日本語の原稿を英語に訳すのではなく、最初から英語で、自分の視点で書くということです。

英語コラムライターと聞いて、「それはもっと英語ができる人の仕事でしょ」と思いましたか?

実は、この仕事で一番大事なのは英語力ではありません。

「書く中身」があるかどうかです。

ネイティブ並みの英語で中身のない記事を書く人より、多少荒削りでも「この人にしか見えないもの」を書ける人のほうが、読者はつきます。

なぜ「話す」より「書く」なのか

40代・50代にとって、英語で話すことには独特のもどかしさがあります。

頭の中には伝えたいことがたくさんあるのに、口から出る英語は驚くほどシンプルになってしまう。

書くことは、そのもどかしさから解放してくれます。

書くときは考える時間がある。

辞書を引ける。

言葉を入れ替えて、しっくりくるまで調整できる。

英会話だと60点の自分しか出せなくても、書くことなら90点の自分を出せる。

そして何より、40代・50代が書くと面白い。

20代には書けないんです。

なぜなら、圧倒的に「ネタ」が違うから。

組織で揉まれた経験、子育てのリアル、日本社会の裏表を知っていること。

この厚みが文章に出る。

読者は文法の正確さではなく、「この人の話は面白い」で記事を読み続けます。

どんなことを書くのか?あなたの「退屈な日常」が、誰かの「読みたかった記事」になる

ここが、この仕事の一番ワクワクするところです。

たとえば、こんな1文を想像してみてください。

In Japan, there’s an unspoken rule that your lunch box should contain at least three colors.

(日本には、お弁当には最低3色入れるべきだという暗黙のルールがある。)

これを読んだ海外の人は「なぜ3色?」

「誰が決めたの?」

「色にどんな意味があるの?」と興味を持ちます。

あなたにとっては常識。

でも、この1文から始まるコラムが、海外の読者を夢中にさせる。

もう一つ。

Japanese convenience stores rearrange their shelves every week, and nobody seems to notice but me.

(日本のコンビニは毎週棚を並べ替えているけど、気づいているのは私だけらしい。)

これだけで「日本のコンビニの異常なまでの最適化」について書くコラムの出だしになります。

観光客目線ではなく、毎日使っている人の目線だからこそ書ける。

他にも。

「なぜ日本の文房具はここまで進化したのか」消せるボールペンや針のないホッチキスを、使う側の視点で語る。

「季節の行事と日本の暮らし」節分やお盆を、なぜ今でも続けているのかを生活者として考える。

「40代の日本女性が本当に考えていること」キャリアと家庭、年齢、組織の中での立ち位置。

日本の女性のリアルな声は、海外メディアにほとんど出てこない。

どのテーマにも共通しているのは、専門家でなくても書けるということ。

必要なのは専門知識ではなく、「日本で暮らしている人の目線」です。

そして、その目線を英語で書ける人は、実はとても少ない。

英語で書ける日本在住の日本人、というだけで希少な存在です。

どこに出すのか、誰が読むのか

書いたコラムを届ける場所は、すでにあります。

Medium(海外で広く使われているブログサービス)やSubstackなど、アカウントを作れば今日から始められるプラットフォーム。

ここに記事を置くこと自体が、あなたの「ポートフォリオ」になります。

Savvy TokyoやGaijinPotなど、日本に関心のある海外読者に向けたメディアもあります。

寄稿を受け付けているところもあり、採用されれば報酬が発生する場合もあります。

そして意外と多いのが、企業からのニーズ。

海外展開を考えている日本企業が、自社サイトやSNSに英語コンテンツを載せたいけれど、書ける人がいない。

クラウドソーシングでもこの手の案件は増えています。

読者はどんな人か。

日本に興味があるけれど、ガイドブックの情報では満足できない人たちです。

彼らが読みたいのは統計データではなく、「一人の日本人が今、何を感じているか」という生の声。

あなたが今朝コンビニで見た光景が、地球の裏側の誰かにとっての「面白い記事」になる。

原稿料よりも先に手に入るもの

収入の話をする前に、伝えておきたいことがあります。

この仕事をしていて一番嬉しい瞬間は、実は収入を得た時ではありません。

ある朝、コーヒーを飲みながらMediumを開くと、昨夜投稿した記事にコメントがついている。

カナダの女性からだ。

「日本のお弁当の話、すごく面白かった。うちの子にも作ってみたい」。

あなたが昼休みに書いた記事が、地球の裏側の誰かの食卓を変えようとしている。

会社の肩書きでも、年齢でも、見た目でもなく、「あなたが書いた言葉」で評価される。

これは、日常ではなかなか味わえない種類の承認です。

そして、もっと身近なところでも変化が起きます。

「ママ、英語で記事書いてるの? すごいじゃん」。子どもが初めて、親の仕事に興味を持つ。

「え、海外の人が読んでるの? かっこいいね」と友人に言われる。

夫が「ちょっと読ませて」と画面を覗き込んでくる。

英語を「勉強している」と言っても、周りの反応はだいたい「へえ、えらいね」で終わります。

でも「英語で記事を書いて、海外の人が読んでいる」と言うと、反応がまったく違う。

「すごいね」の温度が変わるんです。

この「すごいね」は、発信して、届いて、初めて生まれるものです。

収入になるまでの現実的な道筋

ここからは現実の話をします。

いきなり高額な案件は来ません。

最初は無報酬です。

これは覚悟してください。

でも、ステップは明確です。

STEP 1:まず5本書く(最初の1〜3か月)

Mediumやnote、自分のブログなどで記事を5〜10本公開します。

これが「私はこういうものが書ける」という証明になります。

最初から完璧を目指さなくていい。

大事なのは「自分のテーマ」を見つけること。

食なのか、暮らしなのか、働き方なのか。

何について書くのが一番自然か、5本書けば見えてきます。

この段階で気づくはずです。

「あれ、意外と書ける」と。

STEP 2:小さくても「仕事」にする(3〜6か月目)

ポートフォリオができたら、クラウドソーシングやメディアの公募で小規模な案件に応募します。

1本数千円からのスタートです。

金額は小さい。

でも、ここで大事なのは「納品した」という事実を作ること。

趣味で書いている人と、1件でも仕事として納品した人の間には、大きな壁があります。

その壁を越えるのが、このステップです。

金額ではなく、「私は英語で仕事をした」という自信が手に入る。

STEP 3:「この人に頼みたい」と思われる存在になる(6か月目以降)

特定のテーマで記事が積み上がると、「日本の食文化ならこの人」

「日本の働き方を英語で書けるのはこの人」という認知ができてきます。

ここまで来ると、メディアや企業から直接依頼が来る。

1本あたりの単価は、STEP 2とはまったく違うものになります。

6か月。

長いと感じるかもしれません。

でも、6か月前の自分を振り返ってみてください。

あっという間だったはずです。

今から始めれば、半年後には「英語で仕事をしている自分」がいる。

始めなければ、半年後も今と同じです。

まとめ|あなたの「当たり前」を、世界が待っている

英語コラムライターは、魔法の職業ではありません。

地道に書き、推敲し、外に出す。

その繰り返しの中で少しずつ形になっていく仕事です。

それに、あなたが日本で暮らしてきた40年、50年の経験には、世界の誰かが「読みたい」と思う価値がある。

問題は、それをまだ英語にしていないだけです。

まずは1本、書いてみてください。

今朝見たコンビニの棚でも、昨日作ったお弁当のことでも、子どものPTAの話でもいい。

あなたにとっての「退屈な日常」が、地球の裏側の誰かにとっての「読みたかった記事」になります。

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