「私には、人に伝えられるようなものが何もない」
そう思ったことはありませんか。
特別な資格があるわけでもない。華やかなキャリアがあるわけでもない。海外留学していたわけでもない。英語だって、「できます」と胸を張れるレベルではない。
子育てをして、家事をして、パートに出て、気づいたら何年も経っていた。英語は好きだったけど、使う場所がないまま時間だけが過ぎた。
「私みたいな普通の人間が、英語で何かを発信するなんて、無理に決まっている」
でも、少し待ってください。「何もない」と感じているその感覚、本当に正しいでしょうか。
「特別なこと」を持っている人だけが発信できる、は思い込み
英語で発信している人を見ると、特別な人ばかりに見えます。帰国子女、専門家、インフルエンサー。「あの人たちだから発信できる」「私には無理」という結論になる。
でも、海外の読者が英語エッセイに求めているものは、特別な人の特別な話ではありません。
「日本で普通に暮らしている人の、普通の日常」です。
これは誇張でも、励ましでもありません。実際に海外で読まれている日本関連のエッセイを見ると、華やかな観光地の話より、日本人の日常の話のほうが圧倒的に読まれています。
なぜか。海外の読者にとって、日本人の「当たり前」は「当たり前」ではないからです。
あなたの「当たり前」が、誰かの「知りたかったこと」になる
少し考えてみてください。
朝、家族のためにお弁当を作る。3色は入れる。誰かに教わったわけじゃないけど、気づいたらそうしていた。
子どもの運動会で、親たちが本気になる。場所取りから始まって、手作りのお弁当を持参して、我が子の出番を全力で応援する。
コンビニのレジで、何も言わなくても箸とスプーンを入れてくれる。当たり前すぎて、気にもしていない。
これらは全部、海外の読者が「知りたかったこと」です。
「お弁当の3色ルールって、誰が決めたの?」「日本の親はなぜ運動会にそこまで本気になるの?」。こういう疑問を持っている海外の人が、世界中にいます。
あなたにとっての「退屈な日常」が、地球の裏側の誰かには「もっと知りたい話」になっています。
「私には何もない」の正体
「私には何もない」という感覚は、どこから来るのでしょうか。
多くの場合、「特別なスキルや経験がない」という意味で使っています。資格がない。専門知識がない。キャリアがない。英語力が足りない。
でも、英語エッセイに必要なのは、スキルではありません。
「視点」です。
日本で生まれ育ち、日本で暮らしてきた人にしか持てない視点。子育てをしながら感じてきたこと。40年、50年の暮らしの中で見てきた日本の景色。これらは、世界中のどこを探しても、あなたにしかないものです。
英語ネイティブには書けません。翻訳家にも書けません。海外在住の日本人にも、少し違う。日本で今も暮らしているあなたにしか、書けないものがあります。
「何もない」のではなく、「何があるか、まだ気づいていない」だけかもしれません。
「好きなもの」がそのままテーマになる
英語エッセイのテーマは、遠いところにあるわけではありません。
着物が好きなら、着物を日常で着ることの意味を書けます。日本酒が好きなら、日本酒の奥深さと文化を書けます。地元の祭りが好きなら、その祭りに込められた地域の歴史を書けます。料理が好きなら、日本の食文化の細部を書けます。
「好き」は、立派な専門性です。
長年好きでいるということは、その分野について人より深く知っているということ。「好き」が積み上がった時間が、エッセイの中身になります。
外国人の友人に聞かれたら、30分は語れる話は何ですか?
そこが、あなたのエッセイのテーマです。
「家族に驚かれたい」は、立派な動機
「英語で発信したい」という気持ちの裏に、こんな気持ちがある人もいると思います。
家族に「すごいね」と言われたい。友人に「あの人、英語でエッセイを書いてるんだって」と言われたい。自分の名前が記事に載っているのを見たい。
これは恥ずかしいことではありません。
「誰かに認められたい」「自分の存在を証明したい」という気持ちは、人間として自然なことです。そして、その気持ちがあるからこそ、続けられます。
承認欲求は、英語エッセイを書き続けるための、強いエンジンになります。「家族に驚かれたい」という気持ちを、大切にしてください。
「普通の私」が、特別な声になる
海外メディアに載っている日本の情報は、どこかで見たような話ばかりです。富士山、桜、寿司、アニメ。これらは正確かもしれないけれど、日本で実際に暮らしている人の声ではありません。
「普通の日本人の、普通の日常」を英語で発信できる人が、世界にほとんどいない。
あなたが「普通だ」と思っていることを英語で書いた瞬間に、それは世界にとって「特別な声」になります。
「私には何もない」と思っていた人が、英語でエッセイを書き始めて、海外の読者から「I never knew this about Japan.(日本にこんなことがあるなんて知らなかった)」というコメントをもらう。
その瞬間に、「私には何もない」という感覚が消えます。
あなたの日常は、誰かの読みたいエッセイです。あとは、書き始めるだけです。
英語で日本のことを書いて、世界に届けてみたいという方は、グローバルエッセイスト養成講座をのぞいてみてください。