英語の勉強を続けているのに、「できる気がしない」という感覚が消えない。
単語は覚えた。文法も一通りやった。英会話レッスンにも通っている。でも、いざ英語を使おうとすると、体が固まる。頭が真っ白になる。「やっぱり自分には無理なんじゃないか」という気持ちが出てくる。
この感覚を抱えたまま、英語の勉強を続けている人は多い。そして、その感覚が消えないまま、ある日静かに英語をやめてしまう。
「できる気がしない」という感覚は、英語力の問題ではありません。この記事では、その感覚がどこから来るのか、そしてどうすれば抜け出せるのかを整理します。
「できる気がしない」の正体
英語ができる気がしない人に、長年英語を教えてきた現場で気づいたことがあります。
この感覚を持っている人のほとんどは、英語力が低いわけではありません。むしろ、真面目に勉強してきた人ほど、この感覚を強く持っている。
なぜか。「正しい英語」のイメージが高くなりすぎているからです。
勉強すればするほど、「本当に正しい英語」がどういうものかがわかってくる。同時に、自分の英語との差も見えてくる。その差を埋めようとして勉強する。でも勉強するほど「正しい英語」のハードルも上がっていく。いつまで経っても「まだ足りない」という感覚が消えない。
これは英語力の問題ではなく、基準の問題です。
「できる」の基準が間違っている
「英語ができる」という状態を、どこに設定しているかで、この感覚はまったく変わります。
「ネイティブのように話せる」を基準にしていたら、ほとんどの人は一生「できない」まま終わります。ネイティブのような英語を目指すことは、ゴールのないマラソンを走り続けることと同じです。
でも基準を変えると、景色が変わります。
「伝えたいことが伝わる」を基準にする。「読みたいものが読める」を基準にする。「書きたいことが書ける」を基準にする。
この基準で見ると、「できる」という状態はずっと手前にあります。文法が完璧でなくても、発音がネイティブでなくても、伝わればできている。この基準の切り替えが、「できる気がしない」という感覚を変える最初の一歩です。
勉強してきた人ほど陥りやすい罠
現場で多くの生徒を見ていてわかるのは、英語の勉強を真剣にやってきた人ほど、この罠にはまりやすいということです。
真剣にやってきたから、間違いへの感度が高い。真剣にやってきたから、自分の英語の粗が見える。真剣にやってきたから、「まだ足りない」という感覚が消えない。
努力してきたこと自体は正しい。でもその努力が、「できる気がしない」という感覚を強化する方向に働いてしまっている。
一方で、英語を気軽に使い始めた人を見ていると、文法の間違いを気にせず話す。発音が多少おかしくても気にせず書く。「だいたい伝わればいい」という感覚で使い続ける。そのうちに、本当にできるようになっていく。
「できる気がしない」と感じる人と、英語を使い続けている人の差は、英語力ではなく、間違いへの向き合い方にあります。
「できる気がしない」から抜け出す方法
感覚を変えるために必要なのは、より多くの勉強ではありません。
小さく使ってみること。
英語で3行だけ日記を書く。好きなテーマの英語記事を1本読む。知っている単語だけで、英語で短いメッセージを書いてみる。
完璧でなくていい。間違えていい。「伝わるかどうか」だけを基準にして、とにかく使ってみる。
使ってみると、「あ、これでも伝わるんだ」という瞬間が来ます。その瞬間が、「できる気がしない」という感覚を少しずつ溶かしていきます。
勉強で得た知識は、使ってみて初めて「自分のもの」になります。頭の中にある英語を外に出す経験が、「できる気がしない」から「案外できるかもしれない」への橋になります。
「できる気がしない」まま使い始めた人の話
「できる気がしない」という感覚を抱えたまま、それでも使い始めた人がいます。
文法に自信がないまま英語で書き始めた人。発音が気になりながらも英語で話し始めた人。「まだ準備が足りない」と思いながらも、英語でコラムを書いて公開した人。
最初は粗削りでも、続けているうちに変わっていきます。そして「できる気がしない」という感覚は、使い続けることでしか消えません。勉強を増やしても消えない。使った実感が積み上がることで、少しずつ薄れていく。
「できる気がしない」は、英語力の問題ではなく、使った経験の量の問題です。
まとめ
「英語ができる気がしない」という感覚は、英語力が低いからではありません。
基準が高くなりすぎていること、間違いへの恐怖が使うことへのブレーキになっていること、この2つが原因であることがほとんどです。
抜け出す方法は、勉強を増やすことではなく、小さく使い始めること。完璧でなくていい。伝わればいい。この基準に切り替えて、まず使ってみる。
「できる気がしない」まま使い始めた人が、一番早く「できる」に辿り着きます。
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