英語コラムライターの1日|仕事の流れを具体的に紹介
「英語コラムライターとして働いてる」というと、「毎日どうやってやってるの?」と、よく聞かれます。
たぶん、華やかな仕事を想像している人もいるかもしれない。
海外のメディアとやり取りして、おしゃれなカフェでMacBookを開いて……みたいな。
現実はもっと地味です。
朝:コーヒー飲みながらネタ拾い(15〜30分)
朝のルーティンの延長みたいなもの。
コーヒーを入れて、スマホで海外のSNSをなんとなく眺める。
Redditや海外の掲示板で、日本のことが話題になっている投稿を見かけることがある。
「日本のリンゴが1個3ドルもする。信じられない」と嘆いている外国人がいる。
私たちにとっては普通の「贈答用フルーツ」の文化。
でも彼らには「ありえない価格設定」。
こういうズレを見つけると、「あ、これ書ける」と思う。
別にSNSじゃなくてもいい。
朝スーパーに行ったら惣菜コーナーの値引きシールが目に入って、「これ海外の人に説明したら面白いかも」と思う。
電車に乗ったら全員がスマホを見ていて、「この光景、海外では異様らしいな」と思う。
英語コラムを書くようになると、日常の見え方がちょっと変わる。
今まで素通りしていたものが全部ネタに見えてくる。
これが地味に楽しい。
午前:書く(2〜3時間)
子どもが学校に行った。
洗い物を片づけた。
さて、書くか。
パソコンを開いて、テーマについて英語で書き始める。
500〜800語。
原稿用紙で2〜3枚分。
最初から綺麗な文章を書こうとしない。
まず40点の汚い下書きを最速で書き切る。
完璧を目指すと1行目で止まる。
いいから書け、直すのは後だ、と自分に言い聞かせる。
途中でわからない表現が出てくる。
ここで辞書を引き始めると、そのままブラウザのタブが10個開いて、気づいたら30分経っている……というのが一番よくある罠。
だから、わからないところは「[あとで調べる]」と書いて飛ばす。
書く時間は書くことだけに使う。
調べるのは後。
ただ、どうしても手が止まることもある。
テーマは決まっていても、「どこから書き出そう」「この話の切り口は何だろう」と30分くらいパソコンの前で固まっていることもある。
たとえば「忖度」を英語にしようとする。
「Guessing」じゃ軽すぎる。
「Reading between the lines」は近いけど、日本特有の重さとちょっとした滑稽さが抜け落ちる。
辞書を引き、類語辞典をさまよい、海外の記事を読み漁る。
「ああ、この言い方だ」と、自分の感覚にぴたりとはまる表現に出会えた瞬間。
これがたまらない。
調子がいい日は1時間半くらいで下書きが終わる。
調子が悪い日は3時間かかっても終わらない。
そういうものです。
午後:寝かせてから推敲(1〜2時間)
午前中に書いたものを、数時間放置する。
これけっこう大事で、書いた直後は「なかなかいい文章じゃん」と思うんだけど、時間を置いて読み返すと「ここわかりにくいな」「この文、長すぎるな」「この段落、いらないかも」が見えてくる。
Grammarlyに通して文法チェック。
直す。
読み返す。
また直す。
場合によっては構成ごと組み替えることもある。
ChatGPTに「この段落、もっと自然な英語にできる?」と聞いてみることもある。
AIは文法チェックだけじゃなく、「もう少しカジュアルなトーンにして」「この説明、英語ネイティブにはわかりにくいかも」みたいな相談相手としてもけっこう使える。
ただし、AIの出力をそのまま使うことはない。
あくまで自分の言葉を磨くための壁打ち相手。
推敲に1時間で済む日もあれば、2時間かかる日もある。
最後に一つだけやること。
声に出して読む。
目で追うだけだと気づかないリズムの悪さや、同じ言い回しの繰り返しが、耳で聞くとすぐわかる。
地味だけど、これをやるかやらないかで仕上がりがかなり変わる。
よし、これでいいかな。
公開ボタンを押す。
隙間時間:コメント返しとリサーチ
記事にコメントがついたら返す。
「この記事面白かった。日本のお弁当についてもっと知りたい」なんてコメントが来たら、次の記事のテーマが決まる。
読者がネタをくれる、みたいなこともある。
あとは次の記事の下調べ。
日本語で調べて、「これを英語でどう表現しよう」と考える。
この時間は電車の中でもできるし、夜ベッドの中でスマホでもできる。
トータル:3〜6時間。日によってバラバラ
正直に言うと、「1日○時間」と決まっているわけじゃない。
テーマがすぐ決まって、筆が乗って、推敲もサクッと終わる日は3時間くらいで全部終わる。
逆に、テーマに悩んで、書いては消し、構成を組み替えて、推敲にも時間がかかる日は6時間近くかかることもある。
慣れてくると平均的には3〜4時間に落ち着いてくる。
でも最初のうちは、1本書くのに丸一日かかっても全然おかしくない。
不思議なのは、この時間が「しんどい」とはあまり感じないこと。
「あ、この表現いいな」「この切り口で書いたらどうなるだろう」と考えている時間は、勉強とも仕事とも違う。
気づいたら2時間経ってた、みたいなことがよくある。
「毎日やらなきゃダメ?」
全然。
週1〜2本書ければ十分。
「土曜の午前中だけ」でもいい。
3〜4時間集中して1本書けば、月4本。
それで回ります。
ただ、長く続けている人を見ていると、「やる気が出たから書く」はやっていない。
やる気に頼ると、やる気がない日は書かない。
で、そのまま1週間、2週間と空く。
長く続けている人は、「時間が来たからパソコンを開く」を歯磨きのようにやっている。
やる気があるかどうかは関係ない。
開けば、なんだかんだ書き始める。
書き始めれば、なんだかんだ乗ってくる。
1週間空いても、2週間空いても、また書けばいい。
やめなければそれでOK。
まとめ
英語コラムライターの1日。
朝ネタを拾って、書いて、直して、公開する。
書くとそれ以上でも以下でもない。
でも、朝スーパーで見た値引きシールが英語コラムのネタになって、それを読んだ地球の裏側の誰かが「面白い」と言ってくれる。
この一連の流れが、日常の中で静かに回っている。
そういう毎日です。