「英語ができれば仕事になる」
10年前なら、これは本当だった。英語が話せる、読める、書ける。それだけで翻訳、通訳、英語講師の仕事がありました。
今は違います。
AI翻訳の精度は上がり続けていて、単純な翻訳案件は激減している。英会話の相手はAIがやってくれる。英語の文章もAIが書いてくれる。「英語ができる」だけの価値は、年々薄くなっている。
じゃあ、英語を学んできた時間は無駄だったのか。そんなことはない。ただ、「英語ができる」の使い方を変える必要がある。
奪われている仕事、残っている仕事
AIに置き換わりつつあるもの。単純な翻訳、文法チェック、情報をまとめるだけの記事、テンプレート通りの英文作成。
まだ人間にしかできないもの。自分の体験に基づく記事、文化的なニュアンスの調整、人間同士の交渉、複雑な専門判断が必要な翻訳。
要は、「誰が書いても同じになる仕事」はAIに持っていかれる。「この人にしか書けない仕事」は残る。
掛け算の時代
「英語ができる」単体では差がつかない。差がつくのは掛け算。
「英語 × 日本の食文化に詳しい」
「英語 × 子育てを20年やってきた」
「英語 × 日本の企業で30年働いた」
「英語 × 日本に住んでいる」
AIは「日本のお弁当文化についての一般的な記事」は書ける。でも「毎朝4時に起きてお弁当を作っている私が、なぜそれを続けているかを語る記事」は書けない。
この「AIには書けない部分」が、あなたの英語に値段をつける。
市場で何が起きているか
英語ライティングの市場は二極化しています。
情報をまとめるだけの記事は、AIに書かせれば数分で済む。だからクライアントもお金を払わなくなった。単価は下がる一方。
一方で、独自の体験や視点に基づいたコンテンツの需要は増えている。「AIが書いたような記事」ではなく「この人にしか書けない記事」を探しているクライアントが増えている。こちらの単価は上がっている。
同じ「英語で書く仕事」でも、どちら側にいるかで景色がまったく違う。
なぜ40代50代が有利なのか
AI時代に「英語 × 経験」で勝負するなら、経験が豊富な人のほうが強い。
20代のライターは英語力は高いかもしれない。でも書く中身が薄い。人生経験が浅いから、AIが書いたものとの差が出しにくい。
50代のライターは英語力では負けるかもしれない。でも30年分の経験がある。日本の企業文化を内側から知っている。子育てを通じて教育システムを体験している。年齢を重ねることのリアルな感覚がある。全部、AIには書けない素材。
英語力を磨くより、自分の経験を棚卸しして「これはAIに書けないな」というテーマを見つけるほうが、稼ぐまでの距離は短い。
AIは敵ではなく道具
もう一つ。AIは敵じゃない。
英語コラムを書くとき、AIはけっこう使えます。
構成を相談する。「この3つのポイントを伝えたいんだけど、どの順番がいい?」とChatGPTに聞く。
文法チェック。Grammarlyに通して、ケアレスミスを潰す。
表現の壁打ち。「この日本語のニュアンス、英語でどう言えばいい?」と聞いて、出てきた選択肢の中から自分に合うものを選ぶ。
AIに下書きを手伝ってもらって、自分の経験と視点を載せる。このやり方が、今の英語ライティングでは一番効率がいい。
「AIに奪われる」のではなく、「AIを使って、自分にしかできない仕事をやる」。この切り替えができるかどうか。
まとめ
「英語ができる」だけでは稼げなくなった。でも「英語 × 自分の経験」なら、以前より価値が上がっている。
あなたにしか書けない記事の素材は、あなたの人生の中にすでにある。あとはそれを英語にして出すだけ。
AI時代に英語で稼ぐ方法は、英語力を磨くことではない。自分の経験を英語で形にすること。順番が逆なんです。